tsurfの日記(機械設計業界を目指す方へ)

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【機械設計の物理】力の分解(例題2:斜面上の物体に掛かる力と動かすための力)

本ブログの御訪問ありがとうございます

機械設計歴20年以上のtsurfと言います

 

今回は以下に関する記事です

機械設計に使える物理学として

【機械設計の物理】力の分解(例題2:斜面上の物体に掛かる力と動かすための力)

例題を交え 力の分解を解説していこうと思います

エアシリンダの選定計算で少し触れた 課題ですが深堀しようと思います

 

  

本記事は以下の方にオススメです!!

「機械設計に使える基礎的な物理を勉強したい」

「ただの勉強ではなく実際の例を交えて欲しい」

という方 

 

本記事を読むと⇩以下⇩がわかります

・基礎的な物理学として 力の分解

・例題から斜面にある物体に掛かる力と その物体を動かすための力

 

目次

 

①力の分解 解説モデル 斜面上にある物体

 

f:id:tsurf:20210214173709p:plain

  図1 斜面上にある搬送物とそれを動かす駆動機構

 

今 角度Θ°の斜面上に搬送物があります

そこで 以下を解説していこうと思います

・この搬送物に力の分解によって どのような力が掛かるのか?

・この搬送物を動かすための力の求め方

 

②斜面による搬送物にかかる重力の分解

  

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   図2 斜面による搬送物にかかる重力の分解

 

搬送物が重力によって引っ張られる(加速される)力である

黒いMg(N)が働きますが 

図2のように

青い矢印Faと 赤い矢印Fb に分解されます

 

しかし 詳細は後述しますが

結論から言うと 赤い矢印は斜面に作用する力です

 

あくまで 搬送物に掛かる力としては 以下の図3となります

 

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   図3 搬送物に掛かる力の分解

 

どうして そうなるのかは④で解説します

 

③搬送物に掛かる重力が斜面により分解された力の解説

では 図2に示される一つ一つの力について解説します

 

青い矢印Fa

搬送物が斜面を下り降りようとする力です

 

赤い矢印Fb

搬送物が斜面を垂直に押す力です

 

力の大きさの計算式は図4より 以下となります

Fa=Mg・sinθ

Fb=Mg・cosθ

 

④搬送物が斜面を滑り落ちる時に掛かる力

結論

まず結論を先に言います

 

搬送物に掛かる力Fm(N)

Fm=Mg・sinθ-μMg・cosΘ

 

M  :質量(Kg)

g  :重力加速度 9.8(m/sec)

 µ  :摩擦係数 (無次元)

 

理由

図4で解説した 赤い矢印Fbは あくまで 搬送物が

自身の重量で 斜面を斜面に対して垂直に押す力であって

搬送物に掛かる力ではありません

 

赤い矢印Fbが搬送物に対して どのような影響を与えるかというと

 

斜面を垂直に押すことによって 青の矢印方向に斜面を滑り落ちる際に

摩擦となって以下図3のオレンジの矢印のように影響します

 

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  図3 (再掲載)搬送物に掛かる力の分解

 

摩擦係数は あくまで 垂直にかかる力の成分に対しての係数です

また ある方向に進ませる時に初めて抵抗として現れる力です

 

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    図4 摩擦力の発生

 

ですので 赤い矢印はオレンジの矢印 摩擦力Fcに換算されます

Fc=μMg・cosΘ

結果として搬送物に掛かる力は 図3となり

 

冒頭で述べた通り

Fm=Mg・sinθ-μMg・cosΘ

となるのです

 

⑤駆動機構が斜面の搬送物から受ける負荷力

結論

以下 図5のような状況を想定した場合

  f:id:tsurf:20210217203629p:plain

 図5 駆動機構が斜面の搬送物を押し上げる

 

駆動機構が斜面の搬送物から受ける負荷力は以下となります

 

駆動機構が斜面の搬送物から受ける負荷 Fm’(N)

Fm’=Mg・sinθ+μMg・cosΘ

 

M  :質量(Kg)

g  :重力加速度 9.8(m/sec)

 µ  :摩擦係数 (無次元)

 

理由

まず 搬送物が斜面を滑り落ちる際に掛かる力 Fmの式において

Fm=Mg・sinθ-μMg・cosΘ

の摩擦力の部分である-μMg・cosΘについてです

 

この摩擦力-μMg・cosΘ この力がマイナスになっているのは 

坂を滑り落ちようとしている力に対して逆向きに阻害する力だからです

 

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   図3 (再掲載)搬送物に掛かる力の分解

 

f:id:tsurf:20210215195707p:plain

   図4 (再掲載)摩擦力の発生

 

しかし エアシリンダーやボールネジ機構のモーターが

緑の矢印 X→Y へ搬送物を動かす際には

摩擦力は 以下の図6のオレンジの矢印の方向となります

 

摩擦は あくまでも 動かす向きに対して 逆向きに阻害する力です  

  f:id:tsurf:20210216205059p:plain

   図6 駆動機構が斜面の搬送物から受ける負荷力

 

 

⑥駆動機構が搬送物を斜面にて押し上げるための力

では最終的に

駆動機構が斜面上の搬送物を動かすための力を求めましょう

駆動機構の必要出力Fk(N)

Fk=Fa+Fm’より

 

Fa:搬送物を加速させる力 (N)

Fm’:搬送物が駆動機構に掛ける負荷力(N)

 

結論として 以下となります

 

駆動機構が必要とする出力Fk(N)

 Fk=Ma+Mg・sin(Θ)+μMg・cos(Θ)

 

M  :質量(Kg)

a  :加速度(m/sec2)

g  :重力加速度 9.8(m/sec2)

 µ  :摩擦係数 (無次元)

 

⑦駆動機構が搬送物を斜面に押し上げる力の式の応用

 実は この式は どのようなケースにも応用できる汎用性のある式なのです

 

水平時

このΘに水平時である0°を代入します

 

Fkh=Ma+Mg・sin(0°)+μMg・cos(0°)

sin(0°)=0 cos(0°)=1 より

水平搬送の時の必要な力の式である以下になります

 

Fkh=Ma+μMg

 

垂直時

このΘに垂直時である90°を代入します

 

Fkv=Ma+Mg・sin(90°)+μMg・cos(90°)

sin(90°)=1 cos(90°)=0 より

垂直搬送の時の必要な力の式である以下になります

 

Fkv=Ma+Mg

 

最後に

本記事は以上です

本記事を最後までお読み頂きありがとうございます

本記事が 役に立てれば幸いです